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h.t.y.s

どこかの星の物語

戦闘

その日は、砂嵐が吹いた。

西からの風と共に、砂がそこいら中に舞い上がった。

MH同士の戦闘があった。

それは、これまでの長い戦争の終わりを意味する闘いだったそうだ。

Nightでなければ、操作できないというMH。

タカオは初めて見た。

光の粒子になるなら、死ぬのは怖くないか。

死にたくないのか。

本当に、それで良いのか。

いくつもの疑問が僕の心の中をよぎるんだ。

それは、変えることのできない未来なのか。

永遠にそこで生き続けるのか。

本当に、それで良いのか。

それが生の究極の姿なのか。

いくつもの想念、いくつもの思い出。

本当に、いくつもの。

光の中に包まれて、それで良いのか。

死者の国

この星のどこかに、

死者の国があるという。

死者の国には、

今まで死んだ無数の人間がそこに「存在」しているという。

それは、魂というものなのだろうか?

死んだ者はみな、そこへ行くのだろうか。

僕の父母もそこに「存在」しているのだろうか。

だとしたら、僕はそこへ行きたいだろうか。

僕は自分の気持ちがまだ分からない。

海は怖い。

人間がいくべき場所だとは思わない。

それでも、蟹漁船の男達は海へ出ていく。

なぜ出ていくのか。

なにしろ、蟹は高く売れるのだ。

金だ。

 

金が男達を海へ向かわせる。

僕らは貧民だからだ。

普段は怠惰な男ですら、海へ出る。

年に数人は海で死ぬ。

 

海は怖い。

しかし、僕らは貧民だ。

蟹は高く売れる。

貧民の男が死んでも、誰も嘆かない。